■「干潟・湿地を守る日2025」参加行事
市民が守った野鳥の楽園を堪能
─谷津干潟探鳥会─
千葉県野鳥の会は谷津干潟探鳥会を毎月開いている。(2025年)4月20日の定例探鳥会と5月5日の「子どもの日谷津干潟探鳥会」を「干潟・湿地を守る日2025」の参加行事として位置づけた。参加者は、4月20日が29人、5月5日は25人。
(文・写真/中山敏則)
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東京湾の奥部にあった谷津干潟は埋め立て反対運動によって残った。
この運動では、「千葉の干潟を守る会」や「千葉県野鳥の会」と周辺の習志野市民が共闘し、多彩なとりくみをくりひろげた。世論を味方につけた運動が実り、谷津干潟の埋め立て計画は中止になる。1993年6月、谷津干潟はラムサール条約湿地に登録された。干潟としては日本初の登録だった。
いまでは習志野市民の宝となっている。「野鳥の楽園」「大都会のオアシス」となっている。


4月20日は八重桜の一種「御衣黄(ぎょいこう)」が満開だった。御衣黄は、昔の貴族が気品のある色として好んだ萌黄色(もえぎいろ)の御衣(衣服)を思わせることから、その名がつけられた。全国的にも本数が少なく、めずらしい桜となっている。
御衣黄の開花時期は4月の中旬から下旬頃。ソメイヨシノが散り始める頃、入れ替わるように咲き始める。開花が進むと緑色が淡くなる。花が成熟すると、中心部に紅をひいたような条線が浮かび上がる。日に日に赤みを増していくため、見る時期ごとに色の変化も楽しめる。参加者は見事な御衣黄も堪能することができた。


JAWAN通信 No.151
2025年5月20日発行から転載