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西日本各地と沖縄の自然を破壊する
計画の即時中止を!

〜辺野古埋め立て土砂採取反対の署名運動展開中〜

環瀬戸内海会議幹事(首都圏連絡会) 若槻武行

 沖縄辺野古基地は普天間基地の単なる移転ではなく、滑走路と軍港がいっしょになった、耐用200年の最も危険な米軍攻撃型基地の新設であり、沖縄米軍基地の大幅な増強に他ならない。防衛省は巧妙に計画内容を少しずつ「後出し」で明らかにし、危険性の拡大を隠し、民主党政権の承認を取り付け、国民を欺いてきた。
 その「後出し」の一つが、2013年5月、埋め立て用の1700万m3いう膨大な土砂を、沖縄県外からも搬入する計画の公表だ。県外の調達地は九州で奄美大島・徳之島・佐多岬・五島・天草、瀬戸内圏域で香川県小豆島・山口県防府市向島と周南市黒髪島・福岡県門司とされた。
 環瀬戸内海会議(環瀬戸)では、瀬戸内圏域からの土砂採取・搬出の反対運動を決定。同年12月24日、沖縄での辺野古基地建設反対の集会、県庁包囲行動、座り込みテント村激励会に、環瀬戸から阿部悦子・石井亨の両共同代表、青木敬介副代表(播磨灘を守る会代表・JAWAN運営委員)らが参加。同日、これに合わせて東京では、瀬戸内海圏域からの土砂採取反対の申し入れを、防衛省と環境省に行った。
 この沖縄・東京の同時行動から、沖縄や、また同じ土砂採取地で反対運動に取り組んでいる「自然と文化を守る奄美会議」との共闘が進み、阿部代表が奄美大島を訪問。共同リーフレットを作成して、運動のPRに努めることになる。
 さらに今年2月6日、東京で奄美会議の薗博明共同代表と共に防衛省と環境省に申し入れと、国会議員各氏への面談行動も行った(東京での対政府行動にはJAWAN役員も毎回参加)。
 現在、環瀬戸は奄美会議と共に、西日本各地から辺野古埋め立て土砂搬出に反対する署名運動を展開。ここでは、とくに環境問題について次の点を指摘し、計画の中止を求めている。
 ①サンゴ礁の海が破壊されれば、沖縄はその豊かな海を喪失、ジュゴンが泳ぐ貴重な環境をも失う。
 ②土砂搬出の西日本各地の自然破壊がさらに加速し、公害や住民間の利害対立さえが起こっている。
 ③生物多様性から世界的に注目される奄美大島や瀬戸内海の自然を危機に晒(さら)す。
 ④土砂に紛れ込む恐れのある、外来種持込みによる環境影響調査も放置している。
 また、沖縄の基地植民地化を固定化し、西日本砕石地の住民に有無を言わせず、基地への間接加担を強いていることへの反対も明記している。
 なお、5月30日には奄美大島で土砂搬出反対のフォーラムが計画されており、環瀬戸としては、そこに全国の土砂採取反対の団体が結集しようと、呼びかけている。

(JAWAN通信 No.111 2015年5月30日発行から転載)

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