シギ・チドリ類「モニタリングサイト交流会」を開催

伊藤恵子 日本湿地ネットワーク

 11月24日(土)、日本湿地ネットワークとWWFジャパンは第4回「モニタリングサイト交流会」を徳島市内のウエルシティ徳島で開催し、全国から約80人の参加がありました。
 「モニタリングサイト1000」というまだまだ馴染みの薄い言葉や活動を一般の方に知って頂くことも目的の柱です。今回は四国・近畿・中国東部地域のモニターの方々を中心にシギ・チドリ類の調査、生息地の保全、関連する底生生物について発表や情報交換を行い、交流を図りました。
 日本野鳥の会徳島県支部研究部長の東條秀徳さんは、1976年から30年間のデータを基に吉野川河口のシギ・チドリ類の飛来状況を分析発表して調査の大切さを強調しました。とくしま自然観察の会代表の井口利枝子さんは、河口付近のベントス調査や環境教育の取り組みを報告して環境保全の重要性を訴えました。また、重信川(愛媛県)、加茂川河口(愛媛県)、物部川(高知県)や松永湾(広島県)、ハチの干潟(広島県)、大阪南港野鳥園の干潟など各地のモニターより貴重な報告がありました。
 意見交換では吉野川河口では東環状大橋が建設中であり、今後、さらに四国横断自動車道計画も浮上しており、環境団体からは保護に向けてどのように対応すべきか強く懸念する発言が相次ぎました。
 翌日のエクスカーションでは日本野鳥の会徳島県支部曽良寛武さんの案内で沖洲海浜工事現場と吉野川河口を見学しました。晴天に恵まれ、河口ではハマシギ、シロチドリ、ズグロカモメや6年ぶりのクロツラヘラサギが出迎えてくれました。参加者(30人)のみなさんも楽しまれた様子でした。

モニタリングサイト交流会 吉野川河口でのエクスカーション

(JAWAN通信 No.89 2007年12月15日発行から転載)


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