日韓共同干潟調査団「環境賞」受賞記念シンポ
2月25〜26日に東京で開催

 日韓共同干潟調査団は、日韓国際環境賞の受賞を記念したシンポジウムを下記の通り、2月25日〜26日に、東京・水道橋のYMCAアジア青少年センター・スペースYで開催します。日韓共同干潟調査はJAWANのメンバーも参加して行われてきました。今回のシンポジウムにもJAWANは共催団体として協力しています。



2006/2/25(土)−26(日)
日韓共同干潟調査団「日韓国際環境賞受賞」記念連続シンポジウム

『 国境を越えた干潟への想い
     韓日の素晴らしい自然・食・文化を未来へ 』のお知らせ


 日韓共同干潟調査団は、日韓両国で干潟の保全・研究に関わっている市民と研究者によって、1999年に結成されました。これまでに20回以上の現地調査・シンポジウムを継続的に行い、両国に共通する豊かな干潟生態系を自然科学の立場から研究し、干潟を大切にしながら干潟と共に生きてきた人々の暮らしに学んできました。これまで調査に参加した日韓の市民・研究者は200名以上にのぼります。
 昨年11月、私たち調査団に、毎日新聞社と朝鮮日報社が共催する「日韓国際環境賞」が授与されました。その受賞を記念し、あらためて日本と韓国の干潟の素晴らしさ、そして豊かな海の恵みに支えられてきた漁業文化や食文化の大切さを、韓日両国民の間で見つめ直し、干潟をとりまく問題を明らかにするために、この連続シンポジウムを企画しました。

 一日目は、特に、干潟の大切さを、私たちの食との関係で見つめ直します。ハマグリやアサリを食べたことのない人は、日本にも韓国にもいないでしょう。しかし、そんな当たり前の食生活の大切さを再確認することが、今、とても重要なのではないでしょうか。
 二日目は、韓国でのセマングム干拓の問題に焦点を当てます。日本での諫早湾干拓など、干潟をめぐる危機的な状況においても、日本と韓国は共通の問題を抱えています。セマングム干拓は、その干拓堤防の閉め切りが、今まさに迫っています。

 折しも、ラムサール条約(干潟や湿地の保全を目的とした国際条約)の次回締約国会議が、2008年に韓国で開催されることが決定しました。このシンポジウムが、韓国と日本の干潟をまもる取り組みを、深め、広げていくきっかけとなることを期待しています。
 このシンポジウムには、どなたでも参加できます。どうぞお気軽にご参加下さい。

●日 時: 2/25(土)10:00〜17:00・ 2/26(日)10:00〜17:30
●会 場:YMCAアジア青少年センター 地下一階 スペースY
   JR水道橋駅から徒歩5分・御茶の水駅から徒歩7分
     (東京都千代田区猿楽町2-5-5) ※会場地図
●参加費:1日のみ 1,000円 2日とも 1,500円(大学生以下無料)
●主 催:日韓共同干潟調査団
●共 催:日本湿地ネットワーク(JAWAN) 
     高木仁三郎市民科学基金
●後 援:日本野鳥の会、日本自然保護協会、WWFジャパン(依頼中)
●問合せ:高木仁三郎市民科学基金 菅波 完
   E-mail sugenami★takagifund.org
   (★は@に変えてメールソフトに入力してください:迷惑メール対策)
   TEL 070-5074-5985


プログラム: 

========= 2/25(土) 10:00〜17:00 =========

『 食から考える韓国・日本の干潟の豊かさ、大切さ 』
(*印が日韓共同干潟調査団のメンバーです)

10:00-12:00
◆ 第一部:日韓共同干潟調査の報告
 ・開会あいさつ
  ・基調報告
  「日韓の干潟のすばらしさ:共同調査の歴史と成果」
     山下 博由* (貝類保全研究会)
  ・基調報告
  「韓国の干潟保全運動と東アジアの渡り鳥保護ネットワーク」
     キム・キョンウオン*(韓国湿地保全連帯会議)

12:00-13:00 <昼食休憩>

13:00-15:30
◆ 第二部:食から考える日本と韓国の海と人の未来
 ・「滅び行く干潟の王 ハマグリの生物学・文化・現状」  
     日韓共同干潟調査団ハマグリプロジェクトチーム
 ・「ハマグリ店頭調査 ひな祭り商戦を戦う多国籍軍たち」
     山本 茂雄*(アジアの浅瀬と干潟を守る会)
 ・「食としての干潟の利用〜 韓国・日本・沖縄」  
     長田 英己*(潟の生態史研究会)
 ・パネルディスカッション
  「食から考える日本と韓国の海と人の未来」
     パネリスト:
      ヨ・ギル*(セマングム市民生態調査団:予定)
      ぼうずコンニャク(『市場魚貝類図鑑』主宰)
     山本 茂雄*(アジアの浅瀬と干潟を守る会)
      長田 英己*(潟の生態史研究会)他

15:30-15:45 <休憩>

15:45-17:00
 ◆ 第三部:これから私たちにできること

 ・行動提起
 「2008年に韓国で開かれるラムサール条約会議に向けて」
     日本湿地ネットワーク

========= 2/26(日) 10:00〜17:30 ========

『 STOPセマングム干拓! 諫早の過ちを繰り返さないために 』

10:00-12:00
 ・「セマングム干拓事業とは何か? 経過・問題点・NGOの
   取り組み」
    キム・キョンウォン*(韓国湿地保全連帯会議)
 ・「渡り鳥にとってのセマングムの重要性」
     柏木 実*(日本湿地ネットワーク)
     高野 茂樹*(八代野鳥愛好会)

12:00-13:00    <昼食休憩>

13:00-15:50
 ・「貝類を中心としたセマングム干潟の特性・重要性」
   山下 博由*(貝類保全研究会) 
 ・「大型公共事業による生物相の変化 
            諫早湾干拓とセマングム干拓」
    佐藤 慎一*(東北大学総合学術博物館)
 ・「セマングムの漁労活動 ハマグリを中心に」
    長田 英己*(潟の生態史研究会)
 ・「セマングム、今何が起こっているのか――漁民の声」 
    ヨ・ギル*(セマングム市民生態調査団:予定)
 ・「セマングム・諫早の裁判と人々のたたかい」
  吉野 隆二郎(よみがえれ!有明海訴訟弁護団)

15:50-16:00 <休憩>

16:00-17:30
 パネルディスカッション
 「セマングム干拓・諫早湾干拓と韓日の社会・海の未来」
   パネリスト:
     キム・キョンウォン*(韓国湿地保全連帯会議)
     ヨ・ギル*(セマングム市民生態調査団:予定)
   青山 一(三番瀬市民調査の会)
   長田 英己*(潟の生態史研究会)
   吉野 隆二郎(よみがえれ!有明海訴訟弁護団) 他