1. WWN とは

 ラムサール条約COP10 会期中の2008 年11 月4 日に、世界湿地ネットワーク(WorldWetland Network: WWN)は活動付託事項(Terms of Reference)を採択しました。本会議に先立って開催された湿地に関する世界NGO 会議とNGO 宣言の作成を終えて、私たちはそれまでの協議を受けて世界の湿地NGO を組織化することの必要性を実感するに至りました。
過去に何度もCOP に出席したことのある仲間たちが、毎回、小さなNGO に対しても会議への積極的参加が呼びかけられてはいたものの、組織や準備が十分でないNGO は自分たちのメッセージを伝えるという極めて重要な役割を果たせないできた実情を説明しました。湿地保全、教育及びコミュニティ・プロジェクトが、このような小さな草の根NGO によって数え切れないほど実施されています。私たちは、湿地に関する最も重要な国際条約であるラムサール条約にこれらのグループの意見を反映させ、影響を与えたいと考えたのです。

 それ以降、WWN の委員会は、スカイプやE メールなどのコストの少ない通信手段を用いて毎月会議を開き、会員数を伸ばすとともに、全ての会員にメーリングリスト(ML)を通じてコミュニケーションを図るよう呼びかけてきました。各委員は、早朝、深夜、時にはプライベートな時間を割いて会議に参加し、これらの活動を継続するために努力してきました。各地の湿地センターをつなぐ国際湿地リンク(WLI:訳注:「ウェリ」と読む)というプロジェクトを通じてWWN の議長の仕事に便宜を提供してくれた英国水鳥・湿地トラスト(WWT)の厚意に感謝いたします。委員会の構成は下記の通りです。
代表地域代表者代表者
次回ラムサール会議
開催地(COP11, 2011)
Mr. Peter LengyelUNESCO プロナトゥーラ、ルーマニア
アジアMr. Minoru Kashiwagi ラムサール・ネットワーク日本
Mr. Tsuji Atsuo JAWAN、日本
新熱帯区Ms. Melissa Marín FUNGAP、コスタリカ
Mr. Esteban BiamonteUnion de Ornitologico、コスタリカ
北米Ms. Becky Abelウィスコンシン湿地協会、米国
アフリカ Mr. Mbye Baboucarr ステイ・グリーン財団、ガンビア
オセアニア  Ms Cassie Price ウェットランド・ケア、オーストラリア
欧州Mr. Chris Rostron  水鳥・湿地トラスト、英国
スペイン生物多様性財団に申請した私たちの野心的な企画が承認されました。これにより、湿地の管理における最良の実践例を表彰し、劣化した湿地の事例に注意を喚起するための世界湿地賞を創設することができます。本報告書は、湿地に深く関わる人々のアイディアから韓国で誕生したWWN が、機能する国際組織として重要な新事業へ乗り出そうとしている現在までの歩みの記録です。一年が経ち、私たちにとってはこれまで達成した事柄は喜びであり、待ち受ける挑戦にわくわくしています。

 >> 2. 設立準備

WWN 年次報告書(2008 年11 月-2009 年10 月)


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