■干潟を守る日2005イベント報告

渡良瀬遊水池自然観察会(植物・昆虫・野鳥)

●2005年4月17日(日)
●主催:渡良瀬遊水池を守る利根川流域住民協議会/日本野鳥の会栃木県支部
    渡良瀬未来基金

干潟を守る日2005・渡良瀬遊水池からのアピール

 渡良瀬遊水池は、今、ヨシの芽吹きの季節を迎えています。それは湿地の新たな「いのち」の誕生を象徴するかのようです。もともと赤麻沼や谷中村があったこの低湿地帯は、約100年前、足尾鉱毒事件を契機とする、明治政府の方針によって強引に遊水池化され、全谷中村民はこの地を追われました。
 短時間では語り尽くせない重い歴史を背負って誕生した国内最大の遊水池は、それ以後20世紀末に至るまで大規模公共事業の開発対象となり、次々と各種の土木工事が続いてきました。
 渡良瀬川の付け替えによる赤麻沼の消滅や、渡良瀬貯水池(谷中湖)の造成、ゴルフ場開発その他によって、どれだけ貴重な湿地の動植物やその生存環境が失われたことでしょうか。
 それでもなお、この国内最大の遊水池は、国内第2位・本州以南最大のヨシ原を有して、膨大な湿地の動植物の生息地・生育地となっています。
 21世紀になって5年、渡良瀬遊水池は新たな道の選択を迫られています。再び大型機械の轟音が響く場とするのか、それとも湿地の自然を保全しながら活用する賢明な道を選ぶのか。
 私たちは、田中正造の生き方・考え方を学び継承しつつ、自然界の「いのちの流れ」を大切にする賢明な道を選びたいと思います。
 かけがえのない「いのち」を育む湿地や干潟を守るために、今日この時も、全国各地で思いを同じくするたくさんの人々が集っています。ここ2005年春の渡良瀬から、全国の湿地の未来を開くような、強くしなやかな新しい風が起こり、吹き渡りますように!

   2005年4月17日

渡良瀬遊水池自然観察会参加者一同


JAWANトップページ >> 干潟を守る日 >> イベント報告目次