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■情報

減少・悪化が進む日本の湿地


◎重要湿地は633カ所に

 環境省は今年4月22日、「重要湿地」(生物多様性の観点から重要度の高い湿地)の見直し結果を発表した。2001年公表の「日本の重要湿地500」の改訂版である。見直しによって重要湿地は633カ所になった。
 ラムサール条約湿地は50カ所、ラムサール条約湿地潜在候補地は172カ所である。

写真12-1

◎4割に減少

 日本の湿地は減少が著しく進んでいる。国土地理院によると、日本に存在する湿地は約821平方キロで、明治・大正時代の40%足らずでしかない。この間に約1290平方キロ、琵琶湖の面積の2倍に当たる湿地が破壊されたことになる。調査のとりまとめは2000年なので、いまではもっと少なくなっている。
 減少量が最も多いのは北海道で、以下青森県、宮城県の順。東京都、千葉、埼玉両県の減少率は90%を超え、大阪府の湿地はほとんどなくなった。
 また環境省が2016年4月に発表した調査・分析結果によれば、重要湿地のなかで生物分類群ごとの視点でみた961湿地のうち823湿地について情報を得られ、そのうち524湿地は「悪化傾向」にあるとされている。
 「悪化傾向」とされる524湿地のうち、劣化要因の情報があった368湿地について主たる要因を分類したところ、「開発など人間活動による危機」(埋め立てなど)が54%を占めている。このような減少・悪化をどうやって食い止めるか。それが緊急課題となっている。

写真12-2
(JAWAN通信 No.116 2016年8月20日発行から転載)

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