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「瀬戸内法改正案」の問題点を説明

〜民主党環境部門会議〜

環瀬戸内海会議 事務局長 松本宣崇

 環瀬戸内海会議(環瀬戸)は10月22日、中央環境審議会水環境部会瀬戸内海環境保全小委員会の第7回会合を傍聴した。そのあと民主党の環境部門会議に出席し、「瀬戸内法改正案」(自民・公明案)の問題点を説明させてもらった。

◆中環審・瀬戸内海小委員会

 瀬戸内海小委員会の会合は環境省で開かれた。環瀬戸から8名が傍聴した。主な議題は、瀬戸内海環境保全計画の変更案に対するパブリックコメントの結果と、その対応であった。
 委員は岡田光正委員長(放送大学教授)ほか22名が出席した。会合では、変更案に意見を反映させた対応案をめぐり、用語などの簡単な発言があっただけであった。果たしてこれで本当に瀬戸内海の環境保全が飛躍的に向上するのかと思わざるを得ない会合であった。
 長屋信博・臨時委員(JF全漁連=全国漁協連合会・専務)は、基本改革がJFの意向を入れてまとまったことに謝意を表明した。続いて岩崎誠・専門委員(中国新聞社論説委員)が、「自民・公明両党提出の瀬戸内法改正案が通ったら、この計画を変更するのか」と質問した。当局側の答弁はしどろもどろで曖昧だった。閉会後の雑談も含め、自公案の話は知らない委員が多いような印象であった。
 自公案をまったく無視して審議していた点は驚きだった。もとより、自公案の主要点となっている富栄養化防止条項の削除などは議論にもならなかった。

◆民主党環境部門会議

 出席議員は次のとおりである。衆議院議員は近藤昭一、福田昭夫、吉田泉、参議院議員は水岡俊一、江田五月、長浜博行、浜野喜史の各議員。ほかに、欠席議員の秘書が多数出席した。
 会議は近藤昭一・民主党ネクスト環境大臣のあいさつと水岡俊一・同副大臣の司会で始まった。我々がこれまで何度も接触してきた議員である。
 環瀬戸からは、阿部悦子共同代表、青木敬介副代表、湯浅一郎顧問の3名が報告した。環境省水環境課閉鎖性海域対策室の根木桂三室長も出席し、瀬戸内海の現状(初歩的な話)と基本計画の見直しについて説明した。
 環瀬戸側の報告は、①自公案に対する意見の概要、②赤潮と貧酸素海域、汚染の現状報告、③自公案に対する環瀬戸の修正案である。瀬戸内海汚染の元凶は埋め立てであることも強く訴えた。
 続いて質疑が行われた。江田議員は、「今も環境行政の基本になっている中環審答申は自分が環境大臣をしていた当時のものである。この基本を大切にしたい」と発言された。
 瀬戸内海の現状については、きれいになりすぎて貧栄養化になっているのか、それとも富栄養化が続き貧酸素海域をもたらしているのかをめぐり、認識が大きく分かれている。また、再生・創出事業のための法律なのか、環境保全のための規制法なのか、瀬戸内法の性格そのものが問われている。
 環瀬戸は、自公提出の瀬戸内法改正案について、最新の科学的に基づく慎重審議を求めた。一定の理解を得たのではないかと考えている。

(JAWAN通信 No.109 2014年11月30日発行から転載)

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