国際湿地シンポジウム
有明・不知火海ツアー

柏木 実(日本湿地ネットワーク)

 国際湿地シンポジウムの恒例で、ゲストに日本の湿地の実態を見せて、地域団体との交流をするエコツアー。今回は沖縄の干潟と、有明、不知火海。ゲストの韓国環境運動連合のミョン・ホさんのほか、通訳の沖縄環境ネットワークのキム・ヒョノクさんと小林聡史さんが、同行した。諫早の干拓事業の現状と、諌干漁業訴訟原告の柳川漁協、そして不知火海の八代漁協の皆さんを訪ねた。

沖縄県の佐敷干潟
 漁民の方々は、韓国のセマングムや始華湖のことにとても関心を持ち、保全活動をしているミョン・ホさんの詳しい説明に耳を傾け、何度も質問をしていたことが印象的であった。

 柳川では少雨が原因で赤潮が発生したとマスコミで喧伝されていることに対して、自分で集めたデータを示してくださった。わかりやすく正確な分析はその重みを感じさせられた。

 八代では、当時気がつかなかった漁業の不振が、今考えると上流のダムの影響であることがはっきりとわかったとの話が印象的であった。

 「有明海の異変」が、逆説的に、私たちに海や、川がみんなつながっていることを具体的に示していることを強く実感させられる。

諫早湾干拓についての説明を聞くミョン・ホさん(右) 八代の漁民のみなさんとの懇談

(JAWAN通信 No.75 2003年6月1日発行から転載)