湿地保護全国キャンペーン
「干潟を守る日2005」が始まります

 日本湿地ネットワークでは、3月末から5月にかけて、湿地保護全国キャンペーン「干潟を守る日2005」を開催します。各地で実施されるイベントの詳細についてはホームページまたはパンフレット(PDF)をご覧ください。

諫早湾閉め切りの日、4月14日は「干潟を守る日」。

 1997年4月14日、それは長崎県の諫早湾が干拓事業のために閉め切られ、広大な干潟とそこに棲む生き物たちが消滅することになった日です。その日を忘れることなく、諫早干潟の回復や、各地の干潟・湿地の保全を進めていくために、JAWANでは毎年、4月14日を「干潟を守る日」とする湿地保護キャンペーンを行っています。潮干狩りや春の渡り鳥のシーズンでもあるこの時期、今年も3月末から5月にかけて、全国で干潟や湿地の保全をアピールする活動が行われます。

全国約40箇所で自然観察会など干潟・湿地保護イベントを開催。

 「干潟を守る日2005」には40を越える自然保護団体が参加し、宮城県から沖縄県まで全国の約40箇所で自然観察会、清掃活動、コンサート、シンポジウムなど、さまざまなイベントが開催されます。
 愛・地球博が開催される名古屋では、ラムサール条約登録地となった藤前干潟に観察センターがオープンし、3月27日にはその記念イベントが開催されます。また、電子メールを使って貝の写真を送ると、その名前を調べて回答するといったユニークな取り組みも行われます。

仮処分命令で工事中断中の諌早湾干拓事業。この春、注目される公調委、福岡高裁の判断。

 湾閉め切りからまる8年となる諌早湾干拓事業。昨年8月に佐賀地裁は有明海の環境悪化と諌早湾干拓の因果関係を認め、工事停止の仮処分命令を下しました。今年は干拓工事が止まっている状態で、干潟を守る日を迎えることができそうです。
 公害等調整委員会では諌早湾干拓と有明海の漁業被害の因果関係について審理が行われており、5月にはその裁定が出される見通しです。福岡地裁で行われている仮処分の抗告審と併せて、今春、諌早湾干拓問題は大きな山場を迎えます。「干潟を守る日2005」キャンペーンにおいても、諌早湾の開門と干拓工事中止を、全国の団体が声を合わせて求めていきます。

今年はラムサール条約締約国会議の開催年。条約登録地指定に消極的な国、自治体。

 今年11月にはウガンダで、湿地保護の国際条約であるラムサール条約の締約国会議が開かれます。現在、締約国には条約登録地の倍増が求められており、日本でも環境省で選定作業が進められています。しかし、干潟を守る日のイベントが行われる干潟・湿地の多くは登録地となる条件を満たしているにもかかわらず、条約への無理解や開発計画の存在などで、登録地指定が難航しています。それどころか、多くの干潟や湿地で、開発による環境悪化が進行しているのが現状です。JAWANでは干潟を守る日キャンペーンを通してラムサール条約の周知を推進し、国や自治体に湿地保護や条約登録地指定への積極的な対応を求めていきます。


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